日 録

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 明日から学外会議がつづくので、きょうは明日からの不在をあらかじめうめあわせるべく、筑波大学に出勤し、いくつか事務的案件をすませたあと、院生3人と面会する。9月22日に筑波大学仏語仏文研究会でそれぞれ発表をしてもらうので、その準備も意識した相談。




 同僚の(というのもおこがましい)青柳悦子先生から、最近公刊なさった訳書『見えない流れ』(彩流社、ISBN : 978-4-7791-1648-3)をご恵投たまわった。原作はチュニジアの女流作家、Emna Belhaj Yahia のL'Étage invisible

 流麗で読みやすい訳文にいざなわれ、かえりみちの電車のなかで、はじめの3分の1ほどを読み、帰宅後、さらに読みすすめている。いま半分くらい。
 途中まで読んだだけでも、昨年秋を最後に、3度おとずれたチュニスのまちなかや、その周辺の描写にふれ、チュニジアへの親しみを再確認できる。
 また、複数言語状況を反映して、家庭内でも言語文化への帰属意識に相違があるなど、チュニジア社会の豊穣さや陰翳がえがき出されていて、このあともたのしみだ。

 スィーディ・ブー・サイードのような、チュニジアのまちをえがいた表紙絵や、見返しの色なども、チュニジアをよく象徴しているようで、魅力的な本だ。帯には「ジャスミン革命の国、チュニジアから届いた傑作小説」と書かれている。
 訳者あとがきではジャスミン革命のことも、そして、原作者序文には、ニホンの大震災のことにも言及されている。訳者あとがきは、チュニジアという国を知るための格好の入門にもなっている(ひょっとすると、小説の本文も、そのような意味合いがあるかもしれない)。