日 録

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 一昨日、近所の川で、ひと月まえの記事( http://palantien.blog137.fc2.com/blog-entry-309.html )で言及したカルガモの親子と再会しました。こどもたちがずいぶんしっかりしてきたように思います。

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 それから、これまたちょうどひと月まえの6月16日( http://palantien.blog137.fc2.com/blog-entry-311.html )、および6月22日( http://palantien.blog137.fc2.com/blog-entry-313.html )に言及したコルシカ語の辞書の話のつづきです。
 もう1冊の「大きいの」、u Maiori がとどきました。1101ページのずっしりとした辞書です。

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 22日に言及した別のコルシカ語の大辞典が、語末に強勢があるときしか強勢位置を示さないイタリア語式であるのとちがって、u Maiori は語強勢の位置を網羅的に示していることが学習者としてはありがたく、また用例も格段に充実しています。買ってよかったです。

 ところで、「小さいの」u Minò、「大きいの」u Maiò、「もうひとつの大きいの」u Maiori とも、筆頭著者は Antoine Louis Culioli は、発話理論で有名な言語学者の Antoine Culioli と同一人物であるというのは、16日の記事の追記にしるしましたが、かれの一連のしごとには、ユネスコで「危機に瀕する言語」のひとつに指定されているコルシカ語を絶やさないようにしようという、悲愴な覚悟が見てとれます。
 u Maiò の序文は Un précieux héritage [貴重な遺産] と題されていましたが、それよりあと(2012年)に刊行された u Maiori の序文は Un précieux héritage en grand péril [大きな危機にある貴重な遺産] と題されており、危機感の増大を感じます。
 高齢の Anoine Culioli は、u Maiori の序文を、"Ces dictionnaires sont vraisemblablement ma dernière contribution à la langue corse. Je lui souhaite une longue et belle vie. Encore faudra-t-il que les Corses eux-mêmes provoquent ce renouveau. La balle est dans leur camp et dans aucun autre" [これらの辞書はおそらくわたしのコルシカ語に対する最後の貢献になるでしょう。コルシカ語の生命が長く、美しからんことを祈ります。さらに、コルシカ人自身が、コルシカ語の復興をもたらさなくてはなりません。ボールはコルシカ人のがわにあり、ほかのどこにもありません] とむすんでいます。
 このことばには、コルシカ人ならずとも、こころ動かされます。
 わたしも正直、フランス語のような、黒山のひとだかりのようにおおぜいの研究者がいる言語を研究するよりも、コルシカ語のような、放っておくと絶滅しかねない言語を研究したほうが、意味のあるしごとになるのではないかと、菲才をかえりみず思っております。