日 録

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 真冬のような寒さになる。八王子では雪がふったらしい。きょうの東京の最低気温は1.7度。
 土曜だが、8時すぎに家をでて、早稲田にむかう。れいによって、往復とも高田馬場からあるくのが快適だ。
 早稲田大学文学学術院(戸山キャンパス)の正門のまえの並木も美しく色づいている。

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 10時から研究会の会場に、9時25分ころにつく。
 ひとりめの発表者の大久保くんがきてから、プロジェクターの接続などをこころみる。
 会場の会議室は、いつもながらたいへんながめがよい。遠くに東京スカイツリ―、近くには穴八幡がみえる。

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 きょうの研究会は、以下のようなものだ。

日本フランス語学会研究促進プログラム「パロールの言語学」第1回研究会
日時:2014年12月6日(土) 午前10時から12時
場所:早稲田大学文学学術院 (戸山キャンパス) 33号館16階第10会議室

発表者:大久保朝憲(関西大学)
題目:論証的ポリフォニー理論とアイロニー:「ほめごろし」のディスコースをめぐって

発表者:藤村逸子(名古屋大学)
題目:大規模コーパスにおける言語使用(parole)の観察から推測される「フランス語の規範」と「人間の認知傾向」

司会:渡邊淳也(筑波大学)

 このブログでも紹介したことがあるが、日本フランス語学会では、6月に行なった学会内公募にもとづき、研究促進プログラム「パロールの言語学」をたちあげ、7月末より参加者間での討議、研究会の計画などを進めてきた。趣意、参加者はつぎのページに掲出されている。

 募集時案内(趣意など):
 http://www.sjlf.org/?p=1392
 課題採択後の広報(参加者、研究課題):
 http://www.sjlf.org/?p=1484

 きょうのおふたかたの発表は、いずれも第1回研究会にふさわしい、テーマはいうにおよばず、理論、研究方法の面でも参考になるところの多い、基調講演的な性格のものとなった。

 大久保くん(1990年代後半の留学時代以来の友だちなので、ふだんから「くん」呼称)のきょうの発表は、言説の連続性に着目する言語内論証理論、とりわけ論証的ポリフォニー理論の最新版に依拠した反語法(ironie)や、なかでも「ほめごろし」(flatterie sarcastique)の分析で、理論と現象の両面でおもしろかった。
 とりわけ、反語法のなかでも「ほめごろし」がどのように違うかという点として、もともと真意を暗黙にしている(一般の)反語法以上に、「ほめごろし」は字義のみにとどめるという虚偽の態度を貫徹しうるものであって、内容が阻却されるべきであることを知る言語的な手がかりがいっそう少ない、ということを示された点が興味ぶかかった。

 藤村さんの発表は、大規模コーパスをもちいた研究の実際をわかりやすく示してくださるもので、これまた貴重なお話だった。
 ヨーロッパでは意外と言語学者と情報学者の分業がうまくいっておらず、有名なソフトや、有料のタグつきコーパスなども、実はまったく使えないほどの欠点をかかえているなど、はじめてうかがう話が多かった。
 それへのアンティテーゼとして、言語学研究者もみずからコーパス研究、とりわけコンピューター利用の技術的側面に習熟するべきだというお話は、たいへん耳のいたいご指摘だった。なにしろ、わたしはせいぜい、エディターソフトの正規表現をときどき使うくらいなのに、藤村さんは Perl スクリプトを自分で書いて検索するというのだから。

 議論が長びいて、じっさいにおわったのは12時20分ころ。
 ミルクホールでパンを買って昼食にして、13時から15時まではフランス語学会の編集委員会。
 学会誌の査読開始がおもな議題だったが、その場で、このプログラムがおおむね予定通りに進んでいることを報告してきた。

 15時から18時まで、ふたたび公開の行事で、フランス語学会の例会があったが、
 (1)かえりみちに写真屋にたちより、2週間まえに撮った娘の七五三の写真のできあがりをうけとる。
 (2)実はたまたまきょうがわたしの誕生日だったので、それを祝いたいというこどもたちの要望にこたえて、夕食時には家にいるようにする。
 という、まことに手前勝手な理由から、きょうは失礼してしまった。