日 録

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 きのうとはうってかわって、どんよりとした曇天で、寒い。
 フランスなら、このころの天気はいつも曇りで、「万聖節の(ころの)天気 un temps de Toussaint」といえば、寒い曇天をいう。
 もちろん、フランスのほうがニホンよりずっと寒いのだが、きょうのような天気をすこしだけ、フランスの万聖節になぞらえたくなる。
 そして、きのうのようなほの暗く寒い天気も、きょうのようなすがすがしい晴天も、わたしは好きだ。要するに、秋冬派なのだと思う。

 きょうは朝から、10月末に完了したつもりだったあるしごとに問題があったことがわかり、修正に追われていた。じつに非生産的なしごとだ。

 夕方、気をとりなおして、この日の恒例としている近所のしにせの洋菓子店にゆき、生クリームのデコレーションをつくってもらう。
 そして、これまた恒例により、はずかしげもなくつぎのような文字を入れてもらう。

PB030527

 夕食のあと、わたしもふくめて4人でいっしょにケーキをたべて、こどもたちに結婚17周年を祝ってもらった。

 わたしのような変わりものの相手をながねんつとめてくれている妻には、感謝あるのみだ。
 結婚のことを考えると、いつも田中小実昌の「ぼくはケッコンしているのか」という一文をおもいおこす。ごく一部を引用する。
 「恥ずかしいはなしなんだが、ぼくには女房がいて、娘も二人いる。だけど、だったら、ぼくはケッコンしているのだろうか?
 理屈にあわない、むちゃなことを言うな、とおっしゃるかもしれない。
 だけど、あなた自身、夫がいて、あるいは妻がいて、子供もあり、だが、結婚している、という気もちがあるだろうか。」(文化出版局『また一日』、pp.147-148)
 社会性のあまりないニンゲンであってみれば、世間なみに結婚していることのほうがふしぎなくらいだ(というのも、家庭は、小なりといえどもすでに社会のようなものなので)が、実際には子どもたちが年々そだってきていて、そのことにもおどろいている始末だ。