日 録

 東京外国語大学で(今年度だけ、役職につかれた先生の代講をしているので、)ひとこま授業をつとめたあと、つくばに直行する。
 ふだんは京王線経由で東京外大に往還しているので、武蔵境をとおりかかるのは、じつに2002年、フランス文学会の春季大会が東京外大でひらかれたとき以来だ。
 以前、武蔵境駅は地上駅で、西武多摩川線のプラットフォームは、たとえていえば下館駅の関東鉄道常総線のプラットフォームのようだったが(このたとえのほうがわかりづらいか)、いまは高架化されており、あまりにものさまがわりにおどろいた。
 
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 ここからJR中央線でお茶の水へ、総武緩行線で秋葉原へ。つくばエクスプレスでつくばへ。
 筑波大学には17時まえについた。
 18時から、ボルドー大学からの留学生だったバティスト・プヨくん(大学院を満期退学し、いまは学籍はない)の博士論文の公開発表会兼審査会に副査として参加。
 発表をうかがったあと、あれこれコメントや質疑応答をして、20時30分ころまでかかった。たいへん興味深い内容だった。
 最終版論文を書いて出してもらうのはこれからだが、いまのところ順調といえるだろう。

 おわったあと大学近隣の « びすとろ椿椿 Bistro Cin-Cin » に行ってワインをのみ、22時ころ中座して帰途につく。

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 ひさしぶりに午前の帰宅(なので、この記事の日時は事後設定)。

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 きのう、ロマンス語学会事務局からはがきを受けとり、来年度のロマンス語学会大会は2018年5月12日から13日、京都大学でひらかれるむねのお知らせでした。
 わたしは今年度大会のときの総会に出たので、そのことを知っていましたが、次年度の大会の日程や会場を事務局から全会員に知らせるというのは、例年にない念の入れようです。
 その理由は、京都の宿泊事情がきびしいので、いまから予約に動いたほうがよいからです。
 わたしは大阪の実家に泊まるか、それとも、日曜の朝が早いから土曜の夜だけ京大付近に泊まるか、思案中ですが、そうこうしているうちに京都の宿は予約でいっぱいになってしまうかもしれません。
 もしそうなると、なんのために早めに知らせているのか、といわれそうです(笑)。
 京都に泊まるといっても、京大から遠ければバスもタクシーも渋滞するので、時間が読めなくなり、京大の近くに泊まらないと意味がないと思っております。
 初日に行くときも、バスやタクシーは使わず、京阪出町柳駅から歩くつもりです。

ロマンス語学会からのはがき

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四ッ谷

 そのロマンス語学会関連の案件ですが、きょうは日曜返上で、午後から上智大学で現在受給中の科研費の共同研究の打ちあわせに行ってきました。
 この共同研究では、フランス語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・ブラジルポルトガル語・ルーマニア語の6言語パラレルコーパスをすでに構築し、かつ、データを検索・対照可能な形にしているので、今後はどんどん対照研究ができそうです。
 わたし自身も半過去形、大過去形、単純未来形、迂言的未来形などの対照研究を遂行するつもりです。
 とくに大過去形については、つぎの画像にみるように、回顧をのべるとき、フランス語は大過去形をとてもよく使うのに対し、イタリア語は少し、他では皆無という、ドラスティックな対比になっており、共同研究もおもしろいことになりそうです。

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 [後刻追記] 大過去形部分だけを赤字にするつもりでしたが、イタリア語の [5]、[6] は遠過去形 passato remoto なので、赤字にするべきではありませんでした(きょうの打ちあわせで判明)。
 しかし、この点を修正すると、フランス語からはますます遠ざかるので、対照として言ったことは保持できます。
 ただただ、多忙にしているうちに季節はすすみ、梅雨にはいりました。
 先先週までは学会シーズンで週末も留守にしていることが多かったのですが、一昨日、昨日の週末はひさしぶりに自宅にいられましたので、庭で写真をとったりしました。
 ただ、ことしは5月ころから雨がすくなく、庭の花花も咲くのが遅めでした。
 玄関のわきにあり、そこからいくらか自然にひろがったムラサキカタバミ。

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 乾燥をむしろ好むラヴェンダーだけは、雨がすくなくても、例年のようにあざやかに色づいています。

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 2種類植えているのですが、細長い穂の種類が、野生に近いのか、繁殖力が強く、種が自然に飛んで、掃き出し窓のすぐ下の、自転車をおいているところにも咲いています。
 外から風がふいてくるときは、ここから屋内にまでラヴェンダーの香りがとどきます。

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 そういえば、『時をかける少女』は、ラヴェンダーの香りをかぐとタイムスリップするのでしたね(わたしの世代に固有の記憶)。
 栗の木は、去年あまりにも大きくなりすぎたので、幹と大きな枝だけ残して大胆に剪定したのですが、ふたたびさかんに茂っています。

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 拙宅の庭の花や草木はみな素朴ですが、わたしと同世代のある閉じたコミュニティーで最近、「あじさい日記」と称して、あじさいの写真を紹介しあっていた(いいとしをして、みんな星菫派じゃのう(笑))ので、こちらにもその余滴を紹介します。
 しかし、あじさいこそ、雨が必要なので、ことしは関東では花が咲くのがおそいと思います。

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 ところで、細菌が原因となり、あじさいが緑色になる病気が流行しているそうですね。
 http://blog.fujitv.co.jp/goody/E20160629002.html
 わたしが見かけたのも、花びらが一部緑色だった(広く撮っているほうの写真)の、少し気がかりです。単にまだ咲きはじめだからだと思いたいところです。

 がくあじさいは、あじさいの異端のように言われることがありますが、わたしはほかのあじさい以上に好きです。なので、以下はがくあじあしの写真。
 こんな種類もあるのか、と思うような、めずらしい形のものもありますね。

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 きょうはいつもどおり授業を3コマつとめたあと、ロマンス語学会以来3週間ぶりに、博士後期の院生の、コードネーム「えるたそ~」さんと会って、研究相談に応じました。
 そのあと、なぜか昭和時代的な酒肆が大好きな「えるたそ~」さんと、北千住の伝説的な(ピークの時間帯には店外にも行列ができる!) « 大はし » にゆき、ビールをのんできました。
 あさりの酒蒸しが絶品でした。
 こうして酒をのんだこと自体ひさしぶりで、たいへん満足しました。

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 わたしも著者としてくわわった『フランス語学の最前線』第5巻(ひつじ書房)が刊行されました。
 このシリーズは、第5巻でいちおう完結ということになりました。わたしは第2巻、第3巻、第5巻に登場しました。えっ、わたしばかり出すぎ?

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 青木三郎編『フランス語学の最前線』第5巻(ひつじ書房) もくじ
 ・フランス語のsujetおよび対応する日本語の研究  渡邊淳也、ダニエル・ルボー
 ・「捉え方」の意味論—ダイクシスに関する日仏対照研究  守田貴弘
 ・何を「言う」のか—〈Nヲイウ〉と〈dire N〉の日仏語比較研究  須藤佳子
 ・名詞の複数表現をめぐる日仏語対照研究  バティスト・プヨ
 ・言語の形式的特性と感情表出とのインターフェースに関する研究—フランス語と日本語の指示詞の用法を中心に  稲葉梨恵
 ・フランス語と日本語における必然性の意味を伴う名詞修飾表現—-able型形容詞、à+不定詞、動詞+「べき」をめぐって 奥田智樹
 ・話し言葉における理由節の非節化の現象について—parce que, puisque、から、ので  秋廣尚恵
 ・「それどころか」とloin de làの比較研究  田代雅幸
 ・確信度の表現に関する日仏語対照研究  石野好一
 ・femme médecinの語順の不思議—複合語〈Femme+N〉の構造に関する日仏語対照  藤村逸子
 ・ヨクとbienと評価モダリティについて  フランス・ドルヌ、青木三郎
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