日 録

 肥大化する官僚機構を表象するかのごとく、複雑きわまりない事務書類書きで、ここ数日ひどく疲弊しています。
 きょうはそれに追いうちをかけるように、まるで関西のつゆどきのような溽暑で、たえがたい気候でした。
 暑気払い、というわけではありませんが、半年に1回の恒例で、つくばの « Chez Lénon » に行き、クスクスをたべてきました。
 この店のクスクスは絶品で、パリで食べるよりおいしいです。チュニスの名店 « Dar Es-Saraya » に匹敵するおいしさで、記憶に深くきざまれます。
 赤かぶとサーモンの前菜も、デザートのもりあわせも、とてもおいしいです。
 « Chez Lénon » はちょうどきょう、現在地に移って7年目に入ったそうです。おめでとうございます。きょうも大繁昌でした。

P9291652

P9291653

P9291655

P9291657
 きのうからきょうにかけて、長野に行っていました。

IMG_20160920_140510

 かねてより応援している銅版画家の小柳優衣さんの個展が、« ながの東急 » の別館でひらかれているので、それをみることが主目的でした。今回は約100作品という、見ごたえのある展覧会でした。

nagano

P9201622

P9201620

 今回の個展を代表する新作「羊水」では、魚と花々が細密にえがかれ、新しい命をやわらかに見まもる思いをよく表現しておられるように思いました。こころに沁みるやさしさをたたえた作品です。
 先月も滋賀県まで展覧会を見にいきましたが、今回もうかがったので、小柳さんからは「大ファン」と認定していただけました(笑)。たとえていえば、最前列でオタ芸をおどっているレヴェルかもしれません。
 しかし、8月は論文書きで苦しんでいたときの気分転換、そして今回はその論文を脱稿したあと、安手のクリシェでいうところの、「がんばった自分へのご褒美」というような意味あいもありました。
 小柳さんには、かつて2度にわたってわたしの著書の表紙を(銅版画をあしらって)作っていただいたことがあり、わたしにとっては、研究の基底になる精神性や、ゆたかな着想をよびおこす手がかりのひとつになっていると思っております。

 昨夜は会場にいないといけない時間がおわってから、小柳さんといっしょに近隣の « Gatto » にゆき、はじめだけビール、のちにワインをのみながら夕食をたのしみました。赤かぶをつかった前菜や、かものローストがおいしかったです。

P9201625

 おもに « Musée du vin » の赤ワインをのみましたが、1杯だけ、« たかやしろワイナリー » の白ワインをのみました。なんと、« たかやしろワイナリー » は小柳さんのお友だちのご実家だそうです。芳烈な香りで、おいしいワインでした。

P9201626

 あいにくきのうは颱風16号の影響で、長野では朝から夕方まで、避難準備情報が出るほどの大雨でしたが、21時ころに « Gatto » を出るときには、雨はあがっていました(夜おそい時間ほど多く降るという予報だったので、徒歩10分くらいのホテルまでどうやって行くか、ひそかに心配していましたが)。

 きょうは天気がよく、しかし暑くはなかったので、だらだらと散歩をしてすごしてきました。

P9211629

 権堂のアーケード街はよい雰囲気で、近年とかく衰退しがちといわれる商店街とは一線を劃する例のように思いました。

P9211630

 地元のかたがたの推奨を小柳さんから伝えきいた « 藤の家 » で、昼食にざるそばをたべました。虚飾を排した簡素な店ですが、そばは絶品でした。さわやかで、すいすいとたべられます。

P9211632

 « ながの東急 » の地下で、戸隠の新そばを売っていたので、家族へのおみやげに買ってかえりました。
 しばらく、あいだがあいてしまいました。
 これには事情があり、ほんらいは8月末しめきりだった共著論文が、しめきりまでにできあがりませんでした。
 単著論文では、これまでしめきりを過ぎた経験はないのですが、今回は共著ということで、お相手の先生からのお話を待たずに独断で進められないという顧慮もありました。
 このため、論文集編者の先生に相談し、しめきりをのばしてもらいました。
 爾来、日々呻吟しつつ書きすすめておりましたが、ようやく、9月15日(木)になんとか脱稿しました。
 今回はいままでになく苦しい思いをしましたが、さいわい、新しい発見も多くありました。

 間髪おかず、つぎの論文書きにとりかからなければなりませんが、今度は単著なので気らくです。

 * * * * *

 きょうは日曜ですが、都内で研究打ち合わせ(謀議ともいう)があり、昼から出かけておりました。
 おわったあと、はじめていく « KITTE丸の内 » に移動。
 ここは、故鳩山邦夫氏が、「文化財を文化財でなくするのは、トキを焼き鳥にして食うようなものだ」と発言したことで有名になった施設です。
 旧来のたてものはとりこわされはしなかったけれど、高層棟を接ぎたされ、「トキにブロイラーをかけあわせたようなもの」になってしまいました。

IMG_20160918_140046

 郵便局のゆるキャラの巨大なくまのぬいぐるみが、吹き抜けに吊るされていました。

IMG_20160918_141008

 相談ごとがあったついでに、アラビア語学の榮谷さんとまちあわせて、« スーパードライ » でビールをのんできました。
 わたしはビールにはなにより爽涼さをもとめるほうなので、アサヒのビールをおいしく感じます。

P9181611

 * * * * *

 あとは、最近買った本の紹介。
 『比較で読みとくスラヴ語のしくみ』。スラヴ諸語全般の見とおしが得られる、貴重な本です。
 もう1冊、『簡明ウズベク語文法』。「簡明」とはいえ、既存の文法書よりはくわしい知識がえられます。

P9141610
  <201608| 201609 |201610>