日 録

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 往路の新幹線の車中でようやくパワーポイントを準備するのは、いつものこと。

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 「福島」といっても、大阪の福島です。
 すこしあるくと、玉江橋という、堂島川にかかる橋があります。
 橋からみた堂島川は、いかにもオーサカらしい景観です。

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 ここからあるいて10分くらいの、「大阪大学中之島センター」(かつて大阪大学病院があったところ)でひらかれた、フランス語学会研究促進プログラム「パロールの言語学」大阪大会で発表してきました。

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 一発勝負(というのも、パネルディスカッションの打ち合わせなどをあらかじめしておらず、思いつくままに発言してください、ということだったので)のにが手なわたしにしてはまずまずうまくいき、たいへん安堵し、よろこんでおります。
 フランスからおまねきした講演者のカトリーヌ・シュネデッケル先生にも、わたしのつたないフランス語での発表を傾聴いただき、メールアドレスの交換を求められるなど、少しは気に入っていただけたようで、よかったです。
 おわったあと、近くのレストラン、« Gazebo » にゆき、ビールをのみながら、またまたつたないフランス語でおしゃべりしてきました。とっても、しあわせ。ものみなすべて酒でおわる(笑)。

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 先週から、修士論文・卒業論文の公開審査をしたり、審査報告書を書いたり、今週末の大阪での学会発表(「パロールの言語学」大阪大会)の準備をしたり、できあがった論文集を各方面にくばったりと、あわただしくしている。

 妻の旧姓はめずらしい姓で、父祖をさかのぼってゆくと新潟の中越地方にゆきつく。
 じつは、いま支援している大学院生のひとりが、妻の旧姓とおなじ姓を帯びていて、はじめて知ったときはたいへんおどろいたが、話をきくとやはり中越地方のご出身なので、妻と遠い親戚かもしれない、などと思うことはたのしい。
 そのかたからきょう(じつは人文学類の専攻説明会でもご協力たまわった)、ご実家から送られてきたという銘酒、« 八海山 越後で候 » をご恵贈たまわった。

Hakkaisan

 夕食時に冷やして飲んでみたところ、アルザスの白ワイン « Gewürztraminer » を彷彿とさせる芳烈な風味で、とても幸せな気分になった。
 水やお米に清冽な味わいのある土地ならではのお酒といえよう。
 きのうの月曜は、東京に雪がつもり、交通機関がたいへん混乱した。これはいたしかたのないことかもしれない。年に1度か2度しかない積雪のために、首都圏のインフラを北国なみにすることが非現実的であることは、経済オンチのわたしでもわかる。
 幸運なことに、きのうはセンター試験翌日の片づけと、監督担当者の代休のため全学的に休講だったので、筑波に往還せずにすんだ。しかしこれはたまたまのことなので、ふつうの平日におなじことがおきたら、どうなることやら、はなはだこころもとない。

 * * * * *

 今週のしごとはきょうから毎日つづく。
 きょうは、きのうの休講の影響で、全学的に月曜の授業。
 カレンダーのまわりの関係で、月曜の授業はきょうが年明けはじめてだ(先週は成人の日だった)。
 ひさしぶりということもあり、進みかたをまちがえてしまうなど、あやうげなところがあったが、なんとかつとめた。
 こころになやみがあり、はればれしくない気分のときでも、適度にひとと接しているほうが精神の平衡が保たれるかもしれない。わたしは、このんでかかわりを求めようとするほうではないので、しごとのうえで強制的にそうさせられることを、少しはありがたいと思わなければならないだろう。

 * * * * *

 休み時間、エレヴェーターホールですれちがった同僚の和田くんから、昨秋から協力して編集していた科研費論文集が、とうとうできあがり、現物がとどいたということを知る。
 つぎの休み時間に和田くんの研究室にうかがい、とりあえず見本を1冊いただいてきた。見本以外はまだ封を解いてさえいないので、各方面にお届けするのはまだ先のことになりそうだ(もしご期待くださっているかたがおられたら、すみません。他業務の合間をぬってお届けしたいと思いますので、気ながにお待ちください)。

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 一応、情報を書いておくと、以下のとおりだ。
 少々できあがりが遅れたが、おくづけの発行年月日は昨年12月なので、(2015) という数字がつく。

和田尚明・渡邊淳也(編)(2015):『時制ならびにその関連領域と認知のメカニズム』TAME研究会(筑波大学).
ISBN : 978-4-9908803-0-9
224ページ

もくじ
はじめに ・・・ v
英語の単純現在形の包括的分析 / 和田尚明 ・・・・・・・・・・・・・・ 1
実体験知覚と共有知識―未来の事態を表すフランス語の直説法現在形― 
               / 岸 彩子 ・・・・・・・・・・・・・・ 47
日本語の動詞テイルと対応するフランス語の形式 / 津田香織 ・・・・・・ 75
英語の懸垂分詞とフランス語の主語不一致ジェロンディフの対照研究
               / 早瀬尚子・渡邊淳也 ・・・・・・・・・97
Mirativityを表すマーカーとしての「の」 / 五十嵐啓太 ・・・・・・・・・181

 全体として、時制、アスペクト、モダリティ、証拠性の深いかかわりを再確認することのできる論文があつまり、読みごたえのある論集になったと思う。
 ISBN を取得するため、発行元を新たに « TAME研究会 » とした。これはかねてより言語学の世界では言われているように、時制、アスペクト、モダリティ、証拠性 (Tense, Aspect, Modality, Evidentiality) の4つのカテゴリーのかしら文字をとったものであるが、院生のひとりが、いみじくも、「和田先生と渡邊先生が大学生のころから元同級生(タメ)だったからですか」というするどい質問をくださったので、これさいわいと「タメ」の意味も重ねあわせることにした。
 元同級生といえば、「英語の懸垂分詞とフランス語の主語不一致ジェロンディフの対照研究」をわたしと共著してくださった早瀬さんは、高校1年のときにおなじクラスにいた元同級生だ。
 これほど元同級生つながりが多いのもめずらしいが、本業である研究をすすめながら、旧交をあたためることもできるのは、しあわせなことだ(無精だから、いちどにいろいろなことが達せられるのがいいのだろう、といわれるかもしれない。否定はしない)。
 « TAME研究会 » のはなしにもどすと、せっかく ISBN の発行権を取得したので、今後も不定期ながら論文集を刊行してゆきたい。また、今年度はもうじき終わってしまうので、来年度から「リサーチグループ」といった制度的な位置づけも申請するようにしたい。

 * * * * *

 しごとのかえりみち、かねてよりの約束で、18時に北千住で打ちあわせ(謀議ともいう)をする。
 おなかがすいたので、北千住東口の「学園通り」をつきあたりまであるいて、つきあたりの三叉路にほど近い、なつかしいふんいきの洋食店 « レストラン三幸 » にたちより、ビーフシチューをたべる。生ビールもたのんで、横におく。明日も午前中からしごとだから、1杯だけにとどめる。

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 ビーフシチューは肉がとてもやわらかく、野菜にも味がよくしみて、おいしい。塩味がひかえ目で、やさしい味なのもよい。くたびれた身体とこころが癒やされた。
 さあ、明日からまたがんばるぞ...あ、いや、無理をせず、ぼちぼち行きます。
 ことしは曜日のまわりが(なまけもののわたしにとっては)つごうよく、としあけ筑波で授業をするのは連休明けのきょうから。
 ブザンソンに行っておられた大学院生のかたが無事帰国なさり、再会できた。彼女の留学中に、フランスではテロ事件があったので、ご無事で帰国なさり、再会できたよろこびはひとしおだ。
 おみやげにお菓子をいただいた。ブザンソンにはおいしいお菓子が多くある。

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 店の名まえがおもしろい。Criollo(クリオージョ)とは créole(クレオール)にあたるスペイン語だが、それにフランス語の定冠詞 le がついている。こういうのも一種のクレオール的現象なので、自己指示的命名といえるかもしれない。

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 午後、大学院生のなかから、時制関係を研究しておられるおふたりに、学内研究会で発表していただく。
 おわったあと、« 百香亭 » にゆき、ビールをのみながら話す。それがたいへん楽しかったので、いまなお気分がふわふわしている。

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 大阪大学の早瀬尚子さん(じつは高校1年のときにおなじクラスだった)から、最近公刊された共著書『日英語の文法化と構文化』をご恵投たまわった。

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 早瀬さんはこのなかで、英語の supposing... ではじまる節が、仮定からはじまり、その他の意味へと派生してゆくことを論じておられる。
 じつはわたしも、類似の諸現象について、近刊の科研費論文集に早瀬さんと英仏対照研究の共著論文を書いたのだが、個々の事例についてはもう少し考察したいと思っているので、たのしみに拝読し、参考にさせていただきたいと思う。

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 あとは最近買った本。三好準之助『概説アメリカ・スペイン語』、同『南北アメリカ・スペイン語』。

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 ロマンス諸語の対照研究の共同研究にもくわわっているので、スペイン語についても、そのさまざまな変種について知っておきたいという動機から、いまさらながらに買ったのだが、さすがに新知識が多く、たいへんおもしろい。
 名まえに反して、『概説』よりも『南北』のほうが入門的だ。CDもついていて、各国のスペイン語を聴きくらべることもできる。
 ことしもどうぞよろしくお願いいたします。
 わたしのことしの予定ないし目標は、以下のようなものです。(1)のみ今年度です。また、以下のことがらに関連して、同時になすべき課題にもとりくみます。

(1)冬休み前に初校を返し、としあけ始業後に再校がくる予定の科研費論集を、1月中に刊行する。
(2)11月末にしめきられ、現在査読中、3月から編集されて6月刊行予定のフランス語学会研究促進プログラム『パロールの言語学』論集の刊行を編者としてめざすとともに、そこに投稿したわたし自身の論文も公刊できるようつとめる。
(3)ロマンス語学会で、科研費でごいっしょしているかたがたとともに、統一テーマでの発表や論文執筆をめざす。
(4)応募済みで、1月末に要旨査読結果が判明する予定の、時制専門のシリーズ Cahiers Chronos 主催の学会(6月にフランスのカーン Caen で開催予定)で、もし採択されれば発表する。
(5)2年越しの目標である、認知モードとアフォーダンスに関する論文を執筆し、公刊をめざす。
(6)11月に大学書林にあずけた原稿がもしみとめられれば、著書刊行をめざす。

 慎重な人間なら、(4)や(6)のようなことは採択されてから言うものですが、わたしはもちろんそういうカテゴリーの人間ではありません(笑)。
 ところで、院生のころ、多くの目標をたてることを、なかまうちで、「壮大な計画」をもじって「尊大な計画」と言っていたものですが、いまでは、「尊大きわまりない計画」をつねにもっていなければ、業績査定を通過できないでしょう。
 将来的に、国立大学の教員は、業績査定にもとづく年俸制に移行するだろうとのことで、ガクガク(((( ;゚Д゚)))ブルブルです。
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