日 録

 先週、今週と、茗荷谷に行く機会がつづきました。

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 先週木曜は、茗荷谷から10分ほどあるいたところの小石川にある出版社「大学書林」にはじめてゆき、出版の相談をしてきました。

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 大学書林はたいへん堅牢な自社ビルで、しかもこれまでかかわったことのある出版社の社内がおうおうにして雑然としていたのにくらべて、とてもすっきりと整理されており、このような出版社もあるのか、と思いました。
 出版の相談は、なかなかよい感触を得たように思うのですが、正式には預けた原稿を社内で検討していただいたうえで、後日お返事をくださるとのことです。
 なので、慎重な人間なら、出版が確実になってからはじめて言及するのがまともな行動だろうと思うのですが、「他社が出版しない少数言語の学習書、研究書を出版することに情熱をかたむけている」というお話をうかがい、讃嘆の思いをあらたにしたので、まだわからない今回の企画の結果とはかかわりなく言及したくなったものです。
 わたしの企画も少数言語を対象とするものなので、フランス語学関係者に知られると「逸脱」などといわれるかもしれないしろものですが、人生は一回きりなので、後悔することのないよう、なんでも好きなことをするべきと思っております。

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 きょうは土曜返上で、茗荷谷にある筑波大学東京キャンパスに、大学院説明会のしごとで行ってきました。
 今年度、大学院の文芸言語専攻の広報委員長をつとめておりますので、説明要員のひとりとして登壇しました。
 筑波大学の前身の東京教育大学の跡地にあり、いまは放送大学と同居しています。

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 説明会は大盛況で、約80席の教室がほぼ満席になりました。
 もっとも、「人文社会科学研究科」という大きな研究科全体(所属教員約240人)での実施なので、当然といえば当然でしょう。
 わたしの登壇時に、今年度から新しい内容として研究倫理にかんする研修がくわわったことを説明するとき、「小保方さんのようなひとがいるから、こんなことを追加でさせられると思うかもしれませんが」と冗談をいうと、けっこうウケました(笑)。
 しかし、研究倫理教育は実際には有意義で、たとえば、どれほどの寄与をしたら共著論文の共著者として名まえを連ねてよいか、といったこともふくまれております。こうしたことは知っておかないと正しい対応ができないので、結果的に「不正」に一枚かんでしまうかもしれません。
 ニホン時間できのうの朝、パリで同時多発テロ事件が起き、百数十人の死者が出ているという報道に接した。

 Charlie Hebdo 事件の前例からして、週明けに大学内でフランスに滞在中の学生・院生の無事の確認要請が出ることは確実なので、土曜のうちにみなさんにメールを送り、さいわい即日全員から返信をいただいた。
 筑波のフランス語学からはパリ第13大学(Villetaneuse)に1人、ブザンソンのフランシュ=コンテ大学に2人、学生・院生を送りだしている。
 さすがにブザンソンにいれば全然大丈夫だろうとは思うが、フランス時間では金曜の夜だったし、もしやパリに週末をすごすために出かけでもしていたら、と思ったものだ。
 わたしが留学していたころ(1997年から99年)の、平穏なパリ、平穏な世界はもうないのかと思うと、さみしい限りだ。

 もちろん、「テロリストがわるい」というのは絶対的にそのとおりだが、シリアの爆撃という理由を別にしても、フランスはいま、西ヨーロッパではいちばんムスリムの反感を買う国かもしれない。
 Chrlie Hebdo 事件のときにも露呈したように、フランスにおいては、「表現の自由」とか、「単一にして不可分の共和国」とか、「公教育の非宗教性」という美しいスローガンが、いずれもイスラム嫌悪(islamophobie)のかくれみのになるきらいがあるとわたしは思っている。

 いっぽう、いまのニホン政府がおしすすめようとしている米軍への協力も、東京でのテロの遠因を作りかねないと思う。
 G20サミットのトルコをおとずれている安倍首相は、パリのテロ事件に対して「おくやみと連帯」を表明していたが、おなじ日にテロ事件があったレバノンにはひとことも言及しないのか。露骨なダブルスタンダードだ。

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 おくちなおしに、写真をお目にかけます。
 近所の川に、カルガモは年ぢゅうおよいでいます。

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 一級河川とは言い条、たいした川ではないのですが、越冬期はカモの種類がふえます。
 きょうはマガモをみました。

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 それから、うちのマガモちゃん(娘が好きなぬいぐるみ)もひさしぶりに洗濯しました。
 ヴェランダのエアコンの室外機の上で干していると、なにやらくつろいでいるみたい。

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 アルヒェンティーナの牛たちはこれだけで育つといわれ(真偽のほどは知りませんが)、わたしが大学生のころはどこのスーパーでも売っていたものですが、ブームが終わったのか、とんと見かけなくなりました。
 わたしはこの香りと苦味が好きで、わかいころはまいにちのように食べていました。

 きょう、近所のスーパーで、二十数年ぶりに見かけ、よろこびいさんで買ってきました。
 最近では認知度が低いせいか、多く売れ残っていて、安売りされていたのもラッキーでした。
 夕食のとき、100gの1パックを副菜として家族で平らげました。
 なつかしくて、涙が出てくるほどでした。はずかしげもなくいうと、「セイシュンの味」です。
 まだ1パックあるので、明日、たのしみにいただきます。

 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A0%E3%83%A9%E3%82%B5%E3%82%AD%E3%82%A6%E3%83%9E%E3%82%B4%E3%83%A4%E3%82%B7
 によると、アルファルファは和名「ムラサキウマゴヤシ」で、典型的には馬に与えるのかもしれません。
 しかし、記事中には「牛などに与える牧草」という記述がみえます。

  「1980年代に日本国内で健康食品として流行したが、ほどなくして下火になる」という記述はわたしの経験とも合致しますが、「酸性土壌の多い日本での生産は定着しなかった。今はごく一部が野生化しているのみである」というのは事実に反しますね(笑)。
 きょうは、年に1度の恒例により、中央大学にゲストスピーカーで行ってきた。
 多摩センターからモノレールにのると、さながら空中散歩といった風情で、爽快だ。

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 空を広く感じる広大なキャンパスは、わたしの勤務先の筑波大学と似ていて、親近感をもつ。

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 おわったあとは、ちょっと遠足気分で、関係者のみなさまと京王の多摩動物公園駅まであるき、かわいらしい動物模様の電車にのって高幡不動へ。

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 ここで、11月まではみずからに禁じているはずの酒をのんできた。きょうだけは(おそらく11月末までで唯一の)例外。てへぺろ。

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 わたしどもは本日で結婚20周年をむかえました。
 といっても、特別なことはせず、例年どおりケーキでお祝いです。

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 こどもたちもよろこんで、祝ってくれました。
 長年、わたしのような変わり者のあいてをつとめてくれるだけでも、妻には感謝しております。
 13年まえからは息子、7年まえからは娘もいて、一見世間なみの家族を構成しているのが、自分でも不思議です(笑)。
 田中小実昌の「ぼくはケッコンしているのか」という一文を想起します。
 「恥ずかしいはなしなんだが、ぼくには女房がいて、娘も二人いる。だけど、だったら、ぼくはケッコンしているのだろうか?
 理屈にあわない、むちゃなことを言うな、とおっしゃるかもしれない。
 だけど、あなた自身、夫がいて、あるいは妻がいて、子供もあり、だが、結婚している、という気もちがあるだろうか。
」(文化出版局『また一日』、pp.147-148)

 例年は結婚記念日に、祝杯と称して飲むところですが、じつは現在、断酒しています。
 来春発刊予定のフランス語学会研究促進プログラム「パロールの言語学」の論集に、例の3万5000例調査の主語不一致ジェロンディフの研究の続篇を投稿しようと考えており、そのしめきりが11月末ですが、なにぶんにも膨大なデータを見なおさなければならず、難渋しております。
 13年まえ、博士論文を書いたときは、ワインをのみながらでも、すらすらと原稿が書けた(むしろ、ほろ酔いのおかげで筆のすべりがよくなり、突拍子もないアイディアがうかぶなど、プラスになった)ものですが、いまはコーパス研究なので、データ収集・整理を、気のとおくなる編みもののようになだらかにつづけなければならず、どうも課題の性質がちがうらしく、酒がはいるとさっぱり進まなくなってしまう、ということに気づいたのです。
 このため、10月下旬に思い立ち、11月末までは原則として断酒することにしました(ただし、grandes occasions は例外ですが)。
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