日 録

 昨日まで3日間、毎夏恒例の研究会合宿のため軽井沢に行ってきた。
 とくに初日は、東京でも10月中旬なみの寒さだったので、軽井沢では結局14度ほどの気温で、ただただ寒かった。しかしそれでも、個人的な好みでは、猛暑よりはずっとマシと思ってしまう。
 霧のかかる軽井沢駅付近。標高が高いことを考えると、「霧がかかっている」というより、「雲のなかに入っている」というほうが正しいだろう。

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 会場は例年のように文化軽井沢山荘(文化女子大などの文化学園の施設)。

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 ここは食事が豪華で、とてもおいしい。ビールがすすむ(笑)。

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 研究会は、ことしの参加者はわたしも入れて8人だった。いろいろな情報交換ができ、有益だった。
 とくに興味をもったのは、福岡大学の山本さんが紹介・論評しておられた、Jan Goes の論文、"Quand c'est pareil, ce n'est pas identique" だ。自分でもあとで読みたいと思う。
 http://studiidelingvistica.uoradea.ro/docs/3-2013/pdf-uri/Goes.pdf

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 軽井沢からかえってきたら、8月4日の記事で言及した『コルシカ語基礎語彙集』がとどいていた。
 コルシカ語そのものについて(つまり、コルシカ語をとりまく社会的条件などではなく、言語自体について)日本語で書かれた本としては、これがはじめてではなかろうか。
 附録の文法概要など、内容については、後日まとめて言及したいと思う。
 きょうは、ひとと会う約束があって、新宿まで出かけてきた。
 かねてよりの約束だったが、たまたま、台風11号の影響が強いのはきょうではなく明日ということなので、よかった。

 鉄っちゃんのマニアックなはなしだが、小田急の車内表示の画面がバグっていた。

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 待ち合わせのまえに通りかかった、新宿駅南口からサザンテラスにわたる歩道橋に、禁止事項をあれこれ書いた、まあたらしいプレートが貼りつけられていた。
 ここは6月末に焼身自殺事件があった現場だ。しかし、さすがに、禁止事項として「焼身自殺」とは書けなかったのだろう。管理者の小手先のことばが、むなしくひびくように思う。

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 この焼身自殺は、いわゆる「集団的自衛権」の行使を容認することへの抗議を示すものだったらしい。
 まちあわせ場所の喫茶店にはスポーツ新聞しかおいていなかったので、ふだんは読む機会のない『日刊スポーツ』を待ち時間にひらいてみたところ、ちょうどというか、「集団的自衛権」問題に関する高村薫による記事(インタビューかもしれない)がでていた。すこし引用する:

 日本人は震災の時に「礼儀正しい」とか「忍耐強い」とか「秩序正しい」と海外の人に称讃されています。なぜかといえば、戦後69年、日本人は戦争をしていないからです。戦争で殺したり殺されたりしてこなかったから心に余裕があるのです。[中略] 戦争をしていたら人間が荒廃していきます。

 これで思い出したのは、先月佐世保で起きた女子高校生の同級生殺人事件だ。おなじ佐世保で、2004年6月にも、小学生の女子が同級生を殺す事件を起こしている。
 今年も、そして10年前にも、おなじ佐世保で同級生殺人事件が起きたのは偶然と言いきれるだろうか。佐世保出身の村上龍が、もうずっと前に、「佐世保は軍港の町だから、人心が荒廃している」という趣旨のことを書いていたと記憶している。
 本人の立場にならないかぎりわからないことかもしれないが、もし「ひとを殺すのがあたりまえ」という気になることがあるとすれば、それは「礼儀」だの「秩序」だのということからもっとも遠い、もっとも人倫に背弛することにほかならないだろう。この対照において、高村薫のいうことは当たっているように思う。

 きょうの用件は無事順調に済んだので、台風が近づかないうちにと、いそいで帰宅した。
 夏季休暇中ではあるが、午前中は筑波に行き、10月から交流協定校のフランシュ=コンテ(ブザンソン)大学に派遣される予定の大学院生と面会し、必要書類に署名した。
 ついでに、いくつかたまっていた用件をすませた。

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 午後は浦和に移動。4年ぶりに来たが、浦和駅が再開発され、すっかり変わっていた。
 昨秋、≪ギャラリー上原≫でごいっしょした「えるたそ~」さんともいっしょに、伊勢丹浦和店でひらかれている、≪アール・デビュタントURAWAの足跡≫展をみてきた。
 4年前、2010年の夏、おなじ場所で展覧会をしていたのを見にきたことを記憶しているが、その当時が「デビュ début」だったので、いまでは立派に活躍しておられるかたがたの展覧会ということになる。

 ■■■アールデビュタントURAWAの足跡 -それから-■■■

 期間 : 2014年 8月6日(水) ~ 8月12日(火)
 時間 : 10:30 - 19:30 (最終日は17:00まで)
 場所 : 伊勢丹浦和店 = 7F プチギャラリー & 美術画廊
 出品作家 :
 岩井 綾女 ・ 小柳 優衣 ・ 齋藤 悠紀 ・ 鈴木 ひろみ
 瀬下 梓 ・ 楯 とおる ・ 長嶋 由季 ・ 中原 亜梨沙
 長谷川 理奈 ・ 平岡 良 ・ 藤井 誠 ・ 渡辺 由起


 なかでも、かねてより応援している小柳優衣さんの銅版画、油彩画をたのしみに見た。
 銅版画≪Temps et modalité≫は、拙著『フランス語の時制とモダリティ』の表紙カヴァーをかざってくださった作品で、題名や主題も共有している。
 銅版画の作品のかたちで拝見するのはきょうがはじめてだったが、思いいれもあるだけに、なかなか感動的だ。
 表紙より色あざやかな刷りあがりだ(本ではやや落ちついた色合いにお願いした経緯もあったので、そのちがいだろう)。

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 ちなみに、≪Temps et modalité≫は、iPhone のカヴァーとしても売られている(つぎの写真は小柳さんのブログから転載)。

iPhone5

 iPhone カヴァーの販売:
 セレクトショップ "withwish"
 http://withwish.shop-pro.jp/

 会場では、≪ギャラリー上原≫の岡村さんとお目にかかり、しばらくお話しした。
 小柳さんに対してもそうだが、岡村さんの若いひとたちをを見まもる視線がとてもあたたかいことに驚嘆する。

 昨日はヴェルニサージュで、新聞などの取材が多くきていたとのことで、きょうの埼玉新聞にも大きく記事がでていた。

 会場を出ると、あまりにもの炎暑だったので、「えるたそ~」さんとともに近隣の≪Kirin City≫にゆき、フローズン生ビールをのんできた。
 そのようなわけで、いろいろな意味で満足できる日だった。

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 連日、焼くような炎暑だ。
 きょうは太平洋高気圧と、沖縄のほうにいる台風の影響で、南風がたいへんつよく、わたしの住む町田でさえ、海のにおいがする。

 拙宅の居間の南がわには掃き出し窓、西がわには出窓がある。南の窓は軒下なのであまり夏は太陽がはいらないが、出窓は西陽が直撃というふうなので、以前はよしずをたてかけていたが、ことしははじめて、ゴーヤをそだてて、緑のカーテンをこころみた。

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 陽よけとしては、肝腎の窓に達する以前のほうが茂っている。
 窓のところでよく茂るようにするには、窓の直下にプランターをおいて植えればよいのだが、そうすると水やりがたいへんで、とまりがけで留守にするときがあったら、枯れてしまいかねない。それで地植えにしている。

 ゴーヤはすでに3度収穫できている。肉厚で、しゃりしゃりしていて、とてもおいしい。

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 きのう収穫し、きょう料理したゴーヤは、黄色くなるまで熟させたもので、種子が赤くて甘い果肉に包まれている。これをとりだして食べると、いちじくのような味わいで、とてもおいしい。ただし、外がわを料理するとやわらかく、歯ごたえを期待するひとには向かないようだ。
 きょうの朝日新聞の書籍広告で、菅田茂昭『コルシカ語基礎語彙集』(大学書林)という題名を目にして、ただちに紀伊国屋 Book Web Pro で註文しておいた。
 http://www.daigakusyorin.co.jp/book/b181608.html
 おなじ著者による『サルジニア語基礎語彙集』は、『コルシカ語基礎語彙集』とおなじく、文法要覧もついており、かねてより貴重な資料として愛読していたが、まさかコルシカ語について同様の書物が出るとは思わなかった。たいへんよろこばしい。

 コルシカ語は、いうまでもなく、フランスのコルシカ島でおこなわれている地域語である。
 いまでこそEUの政策により、地域語教育が重視されるようになったが、フランスはながねん、きわめて中央集権的な言語政策をとっていたため、コルシカ語もあまりかえりみられなかった。
 言語体系的にはイタリア語の一方言であるため、いわゆる dachlose Aussenmundart であったことも不利な条件だったろう。

 じつはわたしは、ウェブ上でははじめて明かすが、しばらくまえから、コルシカ語を学習している。
 これまた、恥をしのんで明かすが、練習のため、短文の日記をコルシカ語で書きはじめていた(もっとも、いまは夏休み進行なので、あまり書いていない)。
 « Ghjurnale in corsu »
 http://piyo.fc2.com/corsu/
 これは、敬愛するスペイン語学者、木村琢也さんの「カタルーニャ語日記」( http://www.enpitu.ne.jp/usr10/108350/ )のひそみにならったものなので、よい練習方法のお手本をお見せくださった木村さんにお礼申し上げたい。
 コルシカ語には、つづり字 cia, ce, ciu などの [t∫]、gia, ge, giu などの [dʒ] からはそれぞれ弁別される、chj であらわす [c]、ghj であらわす [J] があり、おもしろい。
 chj、ghj は字母表や辞書では1文字に扱われ、イントリッチアーテ intricciate といわれるコルシカ語独特のつづり字だ。
 以前からの予定で、息子が皮膚科の病変を除去する手術を夏休みの初盤にあたる7月のおわりか、8月のはじめに受けることになっていたのですが、病院側の都合もあって早くからは詳細日程がわからなかったので、念のためかねてより両方の時期の予定をあけておりました。
 手術は結局8月5日に決まり、日帰り入院で済むことになったので [8月5日追記:手術は問題なく済みました]、そのまえに5日間、毎夏の恒例で、こどもたちを連れて瀬戸内海に海水浴に行ってきました。
 今回は、台風12号の影響で雨にみまわれ、海水浴の回数が1回減ってしまいましたが、それでも、ほかの日はこどもたちと海で泳いで、たいへん満足しました。こどもたちも、とてもよろこんでいました。

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 朝、漁港の魚市場で買うことのできる、とれたての魚やえびもおいしいです。

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 たいとごはんをいっしょに炊きこんだ「たいめし」は、こどものころからわたしの大好物です。

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 空気がきれいで、アレルギー性の喘息や鼻炎が軽減するなど、体調もよくなりました。
 遠いむかし、生命が海から出てきたことを思うと、海水につかるのもからだによいのではないかと思います。なにしろ、タラソテラピーというものもありますし、コルシカ島には、≪Acqua marina d'ogni piaga hè medicina≫(どの海岸の海水も薬だ)ということわざもあるそうですから。
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