日 録

 晴れて、暑くなる。東京の最高気温は29.0度。

 以前の虫歯の治療でかぶせていた王冠がとれてしまったところがあり、予約しておいた歯科に行く。
 まわりが虫歯になっていたようで、少しけずって(さいわい、たいしたことはなく、麻酔もいらないくらいだった)、型をとって、来週までにあたらしい王冠を作ってもらうことになった。

 そのほかの時間には、9月しめきりの論文のうちのひとつ(Voix plurielles 誌掲載予定)を書いていた。
 昨年口頭発表をしてきたアンジェでの学会の論文集にのせてもらうものなので、昨年の発表資料や原稿を少し手なおしすればよいはずだが、実際にとりかかってみると、「少し」の手なおしでは済みそうにない。
 たいへんではあるが、楽しくもある。雑務の苦しみにくらべれば、論文の苦しみは、甘美な苦しみだ。

 ムラサキカタバミがますます明るく咲いている。

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 そして、ことしも、庭のラヴェンダーがさきはじめた。なんの世話もしなくても、よく育つ。

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 植えたのは上の2か所で、それぞれ別の種類だが、下の写真とおなじ種類のものが、自然に種が飛んだらしく、軒下のわずかな余地にも花をさかせるようになったので、育つにまかせている。こころなしか、勝手に生えてきたところのほうが元気なようだ。

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 わたしも執筆者のひとりとして参加した『フランス語学の最前線』第2巻(時制特集)が出たようです(「ようです」というのは、わたしもまだ現物を見ておりませんので)。
 同シリーズ第1巻のように5年も6年も原稿がたなざらしにならなくてよかったです。だいたい、そんなに放置されたら、『最前線』の看板がいつわりになりますよね。

http://www.hituzi.co.jp/hituzibooks/ISBN978-4-89476-718-8.htm
からの引用:

フランス語学の最前線2
【特集】時制
春木仁孝・東郷雄二 編
装丁者 井上智史
A5判並製 定価5,000円+税
ISBN 978-4-89476-718-8
ひつじ書房


フランス語学の最先端の研究を紹介するシリーズ第2巻。本巻は時制をテーマに、広く一般言語学的視野を射程に収めた論文11本を集める。各時制についての研究だけでなく、時制体系全体や時制と視点に関する研究も収めるが、バンヴェニストに端を発する発話主体や発話態度に注目した論文も多く、時制研究に大きな刺激を与えることが期待される。
執筆者:春木仁孝、東郷雄二、西村牧夫、大久保伸子、渡邊淳也、岸彩子、小熊和郎、井元秀剛、高橋克欣、江川記世子、阿部宏


【目次】
まえがき 

フランス語の時制と認知モード 時間的先行性を表わさない大過去を中心に 
春木仁孝

半過去形の叙想的テンス用法 
東郷雄二

事行成立と時制構造 
西村牧夫

単純未来形の意志用法 時制とモダリティを表す仕組み 
大久保伸子

叙想的時制、叙想的アスペクトと認知モード
渡邊淳也

情報の部分性と全体性 実況中継に用いられる現在形を巡って 
岸彩子

フランス語現在形と不定性 
小熊和郎

フランス語における現在形の特徴 
井元秀剛

時を表す副詞節における半過去と談話的時制解釈 
高橋克欣

複合過去の表す完了 
江川記世子

過去の語りに潜在する「わたし」・「いま」・「ここ」 
阿部宏

索引 
執筆者紹介
 ことしも、わが家の玄関わきのせまい余地に、ムラサキカタバミが咲いてきた。
 家を出ようとするとき、かならず目に入るので、すこしばかり元気づけられるような気がする。

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 きょうは授業をひとこまつとめたあと、3つ会議が連続し、そのうち2つはわたしが(裏方として)準備しなければならなかったので、たいそう疲れた。
 会議がおわったあとの片づけのしごとを、会議室のちかくで、そして研究室にもどってからもつづけていると、19時をすぎてしまい、空腹をおぼえたので、大学近隣の≪クラレット≫にひさしぶりにゆき、夕食にチキンカツ定食をたべた。
 まえにも言及したと思うが、この店はわたしが学生だったころからあり、当時もいまも「軽食」というトリッキーな看板をかかげている(笑)。
 わたしのようないいとしをしたオッサンは、ここでは場ちがいのようだが、二十数年前がなつかしいので、ついつい。

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 ことしも、『日本語学論説資料』への採録依頼がキタ━━━━━━(・∀・)━━━━━━ッ!!

 今回は、2012年に公刊した「叙想的時制と叙想的アスペクト」という論文の採録依頼でした。
 しかし、ニホン語にふれたのは4分の1程度の論文なのですが、それでも採録依頼がくるということは、やはり、日本語学は余裕のある領域なのだなあ、というのが率直な感想です。
 晴れて、やや暑い。
 きょうはフランス語学会の例会と、同時開催の研究会のため、早稲田大学(戸山キャンパス)へ。
 今春から、フランス語学会の例会会場が早稲田にうつった。
 それで、先月も早稲田に行ったのだが、そのときは≪日録≫に書く余裕がなかった。
 今月も余裕があるとはいいがたいが、書くことをこころみる。

 ところで、ここ3日ほど、予想外のことがよく起きるような気がする。
 客観的にみれば、とりたてて劣悪な状況に置かれているわけではないかもしれないが、なんとなくこころの落ちつきがわるい。
 新年度も一巡し、そろそろ疲れが出てくるころなのかもしれない。

 きょうの例会ではわたしが発表者ふたりのうちのひとりで、研究会では(こちらは、きょうにかぎらず)わたしが世話人ふたりのうちのひとりだ。
 さきにはじまる研究会の発表者と、会場となる会議室のプロジェクターの動作確認をするため、30分前にまちあわせていた。
 しかし、まず今朝、わたしとともに研究会の世話人をしている塩田さんから電話で、体調がわるく、欠席せざるをえないと告げられた。

 それではわたしと研究会発表者の古賀さんとふたりだけで早めに会場に入ればよいと思って、いつもより早めに家をでて、新宿から高田馬場へ、そして、れいによって高田馬場から早稲田まで歩いて、会場のある39号棟にいたりつく。

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 ここでは、1990年代後半から2000年代初頭にかけて、例会がひらかれていたことがあったので、おなじところにもどってきたことになる。なつかしい感情がわく。
 会場の会議室まで行ったが、とびらに鍵がかかっていた。
 会場校担当(兼例会運営担当)の酒井さんに電話してみると、いったん留守番電話につながり、数分後にコールバックしてくださった。思いがけず遅れてしまい、新宿で山手線にのりかえるところだという。
 結局開始10分まえくらいに酒井さんが到着なさり、結局は首尾よくプロジェクターも準備でき、古賀さんの興味深い発表をきき、議論も活発にできた。

 例会のほうでは、わたしもよく知っている福岡大学の山本さんの軽妙かつ明快なお話をうかがい、そのあと2番手でわたしも発表した。
 わたしはといえば、いつまでたっても発表はうまくならない。何度も舌がもつれたが、なんとかつとめた。
 「単純未来形と迂言的未来形」という、自分としてはいささか古めの題材だったが、フランス語学会でこのテーマで発表するのはもちろんはじめてで、有益なコメントや質問もいただいた。しかしそれらに、うまくこたえられてはいない。これもまた、いつまでたっても、うまくならない。

 おわったあと、筑波の大学院生がいちど話しかけてくれたにもかかわらず、そのときには言い忘れたことがあり、追いかけるためにいそいで会場をあとにした。
 棟を出たところで追いつき、ここ2~3日懸案になっていたことを確認したところ、おそらく明日あたりには解決しそうだと知り、ほっとする。

 かえりみち、穴八幡の交叉点で大学院生とわかれて、また高田馬場まであるく。
 かえりはいそぐ必要がないので、たちならぶ古本屋でものぞけばよいはずなのだが、どうもそういう気にならない。早稲田通りを歩くと、なぜか条件反射的に早歩きになってしまう。そのまま高田馬場にいたり、電車にのってかえってきた。
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 きのう、大学院生のころ大枚をはたいて買ったLe Monde sur CDROMを本棚の奥から再発見した。しかし、Windows 95でないと動かないことになっている。
 そこで、以下のようなエミュレーターを使って、仮想的に現行OSのなかで古い環境を作り出せば使えるだろうと考え、とちゅうまでこころみた。
 http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/1942/pcat.html
 しかし、これはいささかむずかしく考えすぎだった。実際にはエミュレーターは不要で、Windows7のマシンにも直接インストールできることが、あとでこころみてはじめてわかった。

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 きょうはくもりで、最近としてはすずしく、東京の最高気温は20.7度。
 午後、新宿の小田急ハルクにはいっている昭和的喫茶店、≪ピース≫でホルヘさんとまちあわせて、しばらく話して用件をすませたあと、ビール(など)をのんできた。
 2月以来なので、ひさしぶりだ。前回につづいて、24時間営業という最大限綱領をかかげる酒肆、≪やまと≫に行った。24時間営業にもおどろくが、生ビールとハイボールが180円という破格にもおどろく。ひるざけはここちよい。

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 最後に、思い出横丁の≪但馬屋珈琲店≫でコーヒーをのんできた。連休中随一の、よい気分転換になった。

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 よけいなはなしだが、珈琲店にいくと、高田渡の≪コーヒーブルース≫をうたいたくなる。



 ひとつまえの記事で、しばらくはあまり更新できない見こみ、と書いたばかりなのに、きょうは書きたくなった。気まぐれなものだ。

 晴れて、初夏の暑さになる。今春はじめて半そでのシャツをきて筑波に出勤。まいとし、半そでのシャツをはじめてきるときは、自分の腹が出ているのが気になる。
 5月からクールビズ期間になり、ネクタイをしないひとが多くなってくる。これは、おたがい気らくでよい。
 田中小実昌が書いていたが、「むし暑いニホンの夏に、へたをすると寒いヨーロッパの夏をまねることはない。ネクタイだって、ヨーロッパ人種の長い首が間がもてなくて、首に巻きつけたものだろう」(『また一日』p.26)。まったくそのとおりで、東南アジアのように、半そで開襟シャツを正装とみなすべきだ。
 もっとも、わたしのかっこうは、クールビズというより、そもそも「ビズ」でさえないのだが。

 連休の谷間のわりには、通勤電車は意外にもいつもどおりの混雑だった。ことしは連休といっても、あまりつながっていないからか。
 わたしもいつもどおりに、午前ひとこま、午後ふたこまの授業をつとめる。

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 註文して、ながく待っていた C-ORAL-ROM(冊子とCD-Romのセット)が到着。

 Emanuela Cresti et Massimo Moneglia (2005) : C-ORAL-ROM : Integrated Reference Corpora for Spoken Romance Languages, John Benjamins.
 https://benjamins.com/#catalog/books/scl.15/main

 フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語の、さまざまな使用域(registre)の話しことば、各30万語づつのコーパスをあつめたもので、例文検索はもちろん、品詞や言語行為別のタグづけ、さらには、プロゾディーなどの音声解析もしてあるらしい。
 これをつかえば、4言語の対照研究もどんどんできるのではないか、とひそかに期待していたのだが、CD-Romをパソコンにつっこんだあと、多数のフォルダーとファイルを行ったり来たりするばかりで、途方にくれてしまった(苦笑)。使い方に習熟するまでには、かなりの時間が必要になりそうだ。
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