日 録

 ことしはうるう年なので、2月29日がある。
 もともと、しっぽのみじかい2月は、すぐにすぎ去ってしまうが、1日くらいのびても、実感としてはほとんどかわらない。

 きょうは確定申告でも出しにいこうかとおもっていたが、(東京にしては)たいへんな雪がふったので、やめにしておく。
 そうときめると、めんどうな申告書を書く気力もすっかりうしなわれ、それはさきのばしにして、べつのことをしている。
 どのみち、しないといけないことはたくさんあるので、あちらをしなければこちらをするだけだ。

 確定申告といえば、去年、たまたま確定申告を出しに行った日が3月11日だったので、ちょうどその日、東日本大震災に見まわれたことを思いおこす。
 申告と地震をむすびつけると、なにやら不吉な連想をしてしまいがちだが、考えようによっては、昨年は申告のため地元にいたおかげで地震のあと帰宅難民にならずにすんだともいえる。
 まいとし、確定申告のたびに、添田唖禅坊の≪増税節≫をくちずさんでいたものだが(<いつのニンゲンか、といわれそう)、昨年の地震で、それどころではなくなってしまった。
 ことしの3月は海外出張もあり、いつもより忙しいので、いずれにしても確定申告には早めに行っておかねばならない。

 きょうの雪で、娘の幼稚園は休みになったが、息子の小学校はいつもどおり。
 娘は昼間、息子は帰宅後、よろこんで外で雪あそびをしていた。
 こどもたちには失礼だが、「イヌはよろこび庭かけまわり、、、」とうたいたくなる。もちろんわたしは、「ネコはこたつで丸くなる」という部類にはいる。




 きのう、25日(土)は前期入試にまつわる業務があったので、一昨日24日(金)はつくばに前泊した。
 その24日は、先週つづけて開催された講演会や研究会のため休講した分と、1月末にやむをえない事情で発表を延期した院生がいた分をおぎなうため、15時から17時30分ころまで、大学院の補講をした。
 大学にむかうとき、つくばセンターのバス停に、たいへん明示的な、受験生のための臨時バスの運行の張り紙がしてあった。



 かつては、このようなときはもっともっと chaotique になっていたような気がするが、これもつくばの≪都市化≫の徴候だろうか。



 学内には、あきらかに受験生とおぼしきひとたちが、試験場の下見にきている。親子づれまでいる。みずから受験生だったころ、試験場の下見など一度もしたことがないので、なんという慎重さ、堅実さだろうと感心する(と同時に、正直いって、べつにそこまでしなくても、と思う)。

 24日、補講がおわったあと、つごうのつく院生ふたりといっしょに、昨年4月以来ひさしぶりに≪きく乃家≫にゆき、きりたんぽ鍋をたべながら、ニホン酒をのむ。鍋は店主みずからが畑をたがやし、有機農法でそだてた野菜がたっぷりで、つくば地鶏のだしがきいていて、とてもおいしい。



 ちいさなさかづきで飲んでいるとまだるっこしい、という話をしていると、湯のみのように大きなさかづきをえらばせてくれた。これは主観的にはちょうどよいが、飲みすぎに注意しなければ。

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 25日、筑波大学の前期入試は、3科目それぞれ120分ずつという試験(これはわたし自身が受験した25年まえとかわっていない。とくに地歴・公民は、400字の論述4題、合計1600字という、まるで大学の期末試験のような問題だ)で、重厚で本格的な入試だと思う反面、入試業務にたずさわるがわとしては、たいへんな長丁場で、疲れる。
 受験生はもっと疲れるだろうと思うが、わたし自身が19歳でおなじ試験をうけたときのことを思いおこしてみると、むしろ無我夢中でそのようなことは感じていなかった。きのうも、多くの受験生がそのようなようすだったと思う。
 昨年の京都大学の入試での不正行為の問題以来、大学としても不正防止には気をつかっていて、携帯電話を袋に入れさせるなど対策も講じられ、じっさいに入試の厳正さは保たれていたと思うが、たとえ峻厳たるべき業務のなかにあっても、25年まえの自分自身とおなじように問題にとりくんでいる若者たちをみていると、たいへんなつかしく、せいいっぱいの力を出してほしいと祈るような気もちになる。

 すべての試験がおわって、一定の確認作業を待ったあと、19時30分ころ帰途につく。つくばエクスプレスは、土曜の夜ののぼりにもかかわらず、かえりみちの受験生で、見たことがないほど混みあっていた。そのなかにまじって、結婚式のかえりみちらしき、着かざったひとたちもいた。こよみをみると、25日は大安だった。

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 きょう、26日(日)は3月のサマルカンドでの研究会の予稿集の原稿のしめきりだが、今朝、しめきり当日になってからようやく着手し、さきほど添付ファイルで送った。そのようなわけで、しごとはあいかわらず自転車操業がつづいている。

 各種の懸案に追われ、しばらく日録を書く余裕がありませんでした。
 ここに書いてもさしつかえない案件だけでも、つぎのようなことがありました(ちなみに、筑波大学は変則的3学期制をとっており、2月末まで学期中です。以下の件にくわえ、平常授業もしています。さらにこの先、学類(学部)の前期入試、後期入試業務もあります)。

 ・修士論文審査報告(3件)
 ・2月1日から2日、大学院入試業務
 ・3月公刊予定の自分の論文の校正
 ・2月7日、14日、学群コア科目で専門外の授業を担当(自転車操業的に準備)
 ・フランシュ=コンテ大学など交流協定先から代表団が筑波にきていて、2月14日から16日まで講演会・研究会などが連続
 ・3月6日の慶應での研究会にむけての準備
 ・3月13日から20日までのウズベキスタン出張にむけての準備

 最後に書いた件ですが、来月、はじめてウズベキスタンに行ってまいります。
 タシケント東洋学大学、ならびにサマルカンド外国語大学でひらかれる研究会に参加し、研究発表もしてまいります。
 今回の出張がきまるまで全然知らなかったのですが、タシケント東洋学大学は、「東洋学」という名まえにもかかわらず、東西の言語をカヴァーする言語学科があり、そちらでわたしと専門の近いかたがたとごいっしょする予定ですので、いまから楽しみです。

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 写真は最近の人文社会学系棟内。地震でできた壁の亀裂に、合成樹脂を注射のように打ちこんで修理しようとしている、奇妙な光景です。ニンゲンとしては、どうしても、注射のいたみを思いおこさずにはいられないので、よけいにおそろしく感じます。
 東日本大震災から11か月が経過して、ようやくここまで手がまわるようになったのか、それとも、年度末が近づいて、不透明だった復興予算がやはりもう少しあったからあわてて着手したのか、わかりませんが、どちらにしても、国立大学の融通のきかないところがあらわれているのではないでしょうか。

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 きのう(16日)が合格発表だったので明かしますが、大学院のフランス語学領域で(フランス文学をふくめず、言語学だけで)3人の合格者が出ました。おそらくみなさん入学手続きをしてくれるはずです。
 ひとつまえの記事で、「奇蹟的な中興の様相」と書きましたが、それが来年度もなお続く感じです。大学院のいまの在学生のみなさんに、「4月からまた、みんなで仲良く、たのしく、いっしょに研究にはげみましょう!」と、舞い上がった小学生のようなメールを書いてしまいました(笑)。

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