日 録

 もう明後日にせまりましたが、お知らせを以下に貼りつけておきます。どなたでも参会は自由ですので、関心のあるひとはどうぞいらしてください。

 仏語仏文の大学院では、たいてい、圧倒的に仏文学のほうが院生の人数が多く、仏語学など隅っこで小さくなっているものですが、現在、筑波では仏語学のほうが母集団が大きい(これは稀有のことです)うえに、発表に手をあげるひとの割合も高いので、ことしは発表者数が7対1ということになってしまいました。




第5回 筑波大学大学院 人文社会科学研究科 文芸・言語専攻 フランス語学領域・フランス文学領域合同研究発表会

 今、世界におけるヨーロッパの地位、役割は大きく変わろうとしています。その中で私たちがフランス系の言語文化、文学を研究する意味は何なのか。改めて大きな問いに答えなければならない時期に来ています。
 文芸・言語専攻では、文学分野フランス文学領域および言語学分野フランス語学領域の大学院生は研究室を共有して常日頃、議論を交わしています。語学研究にとっては文学の知識や発想は時にインスピレーションの宝庫であり、また文学研究にとっても語学の知識とセンスはテクストの深い読みを誘うきっかけとなります。
 本発表会は日頃の研究の成果を公開し、自由な議論の場を作ろうというものです。
 関心のある方は教員、学生を問わず、参加を歓迎します。

日時:2011年9月22日(木)14:00-18:30
場所:筑波大学人文社会学系棟5階 B519

[ 第一部 ]

14:00-14:30 高橋由貴 (フランス語学領域1年) 
「フランス語における丁寧表現について」
14:30-15:00 津田香織 (フランス語学領域1年) 
「日本語「覚え(てい)る」「思い出す」とフランス語表現」
15:00-15:30 谷田部祐介(フランス語学領域1年)
「ニューカレドニアにおけるフランス語の実態とその認識」

休憩15分

15:45-16:15 益子優介 (フランス語学領域2年) 
「場所副詞làの定義について」
16:15-16:45 山中冴ゆ子(フランス語学領域2年) 
「フランス語母語話者における副助詞「だけ」の誤用分析」
16:45-17:15 プヨ・バティスト(フランス語学領域2年)
「フランス語における数の概念について」
17:15-17:45  稲葉梨恵(筑波大学博士特別研究員)
「フランス語会話における談話標識の諸相―テキスト分析によるアプローチの可能性」

休憩15分

[ 第二部 ]

18:00-18:30 嘉瀬薫(フランス文学領域4年)
「「私ではないもの」を語る ―アンドレ・ブルトン『ナジャ』(1928年)をめぐって―」

 明日から学外会議がつづくので、きょうは明日からの不在をあらかじめうめあわせるべく、筑波大学に出勤し、いくつか事務的案件をすませたあと、院生3人と面会する。9月22日に筑波大学仏語仏文研究会でそれぞれ発表をしてもらうので、その準備も意識した相談。




 同僚の(というのもおこがましい)青柳悦子先生から、最近公刊なさった訳書『見えない流れ』(彩流社、ISBN : 978-4-7791-1648-3)をご恵投たまわった。原作はチュニジアの女流作家、Emna Belhaj Yahia のL'Étage invisible

 流麗で読みやすい訳文にいざなわれ、かえりみちの電車のなかで、はじめの3分の1ほどを読み、帰宅後、さらに読みすすめている。いま半分くらい。
 途中まで読んだだけでも、昨年秋を最後に、3度おとずれたチュニスのまちなかや、その周辺の描写にふれ、チュニジアへの親しみを再確認できる。
 また、複数言語状況を反映して、家庭内でも言語文化への帰属意識に相違があるなど、チュニジア社会の豊穣さや陰翳がえがき出されていて、このあともたのしみだ。

 スィーディ・ブー・サイードのような、チュニジアのまちをえがいた表紙絵や、見返しの色なども、チュニジアをよく象徴しているようで、魅力的な本だ。帯には「ジャスミン革命の国、チュニジアから届いた傑作小説」と書かれている。
 訳者あとがきではジャスミン革命のことも、そして、原作者序文には、ニホンの大震災のことにも言及されている。訳者あとがきは、チュニジアという国を知るための格好の入門にもなっている(ひょっとすると、小説の本文も、そのような意味合いがあるかもしれない)。


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